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キビヤック


キビヤック

海鳥をアザラシの腹に詰めて作る、という、独特な製法と強い臭気で有名な、海外の強烈珍味のひとつ、

キビヤック

のご紹介です。

キビヤック、キビャック、キビヤ(kiviakやgiviakと音写されることが多い)とは、グリーンランドのカラーリット民族やカナダのイヌイット民族、アラスカ州のエスキモー民族が作る伝統的な漬物の一種、発酵食品である。海鳥(ウミスズメ類)をアザラシの中に詰めこみ、地中に長期間埋めて作る。

キビヤックの材料となるのは、現地でアパリアス(グリーンランド語:Appaliarsuk)と呼ばれる海鳥の一種とアザラシである。北極圏の短い夏の間、繁殖のため飛来したアパリアスの群れを捕虫網のような道具で捕獲する。


製法

1.捕獲したアパリアスを直射日光の当たらない涼しい場所に1日ほど放置して冷やす(内臓が早く傷まないようにするため)。 2.アザラシの腹を裂き、皮下脂肪のみ残して内臓と肉をすべて取り出す(皮下脂肪も取り除くという説もある)。 3.袋状の空になったアザラシの内部にアパリアスを(羽などをむしらず)そのままの形で数十羽程詰め込み(資料によれば700羽とする記述もある)、アザラシの腹を縫い合わせる。縫合口にハエが卵を産み付けるのを防ぐために、日干ししたアザラシの脂(プヤ)を塗ったりもする。アザラシの袋に空気が残らないようぎゅうぎゅうに詰める。空気を抜かないとうまく発酵せず腐ってしまう。 4.これを地面に掘った穴に埋め、日光で温度が上がって腐ることがないように日除けと空気抜きを行ない、キツネなどに食べられないようにするために上に石を積んで覆い、2ヶ月から数年間放置・熟成する。 5.アザラシを掘り出し、中からアパリアスを取り出して食べる。


食べ方

食べるときはアパリアスの尾羽を除去した後、総排出口に口をつけて発酵して液状になった内臓をすする。肉も、皮を引き裂きながらそのまま食べる。歯で頭蓋骨を割り中身の脳味噌も食する。

また、液状になった内臓を調味料として焼いた肉などにつけて食べることもある。発酵により生成されたビタミンを豊富に含むため加熱調理で酸化・分解してしまった生肉中のビタミンを補う機能があるとされ、かつては極北地域において貴重なビタミン源の一つであった。

誕生日、クリスマス、結婚式や成人式などの祝宴の席でよく供される。

美味だが非常に強い臭気があるとされシュールストレミングくさや、ホンオフェと並び世界の異臭料理として有名である。


世界の臭い食べ物ランキング

アラバスター単位(AU)による臭さランキングでは、 シュールストレンミング、ホンオフェがかなりの2強で、次に強烈なにおいのチーズ、エピキュアーチーズが3位に入り、4位がこのキビヤックになります。

※B&Hラボという会社が販売していた「アラバスター」という臭気測定用検知器によって計測された、臭いの強さを表す単位です。


キビヤック.txt · 最終更新: 2024/10/20 00:23 by moepapa

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